予防接種や注射・検査時の痛み軽減に関する取り組み
注射時の痛みは完全にゼロにはできませんが、いくつかの方法を組み合わせると痛みやこわさを減らせることが、これまでの研究から分かっていて、日本と海外のガイドラインで推奨されています。
まず知っていただきたいこと
こどもの注射のつらさは、針の痛みだけでなく、「何をされるかわからない不安」「押さえつけられる怖さ」「前に痛かった記憶」でも強くなります。そのため、痛みを減らすには、局所麻酔薬もありますが、年齢に応じた説明、注射時の姿勢、声かけ、気をそらす工夫、ワクチン注射の順番などを合わせて考えるのが大切です。
例えば、ワクチンの種類によって痛みの出やすさは違い、同じ日に複数のワクチンを打つ場合、痛みが強いワクチンを最後にすることで、全体のつらさを減らせる可能性が確認されています。
当院での取り組みについて
- 保護者様には痛みを軽減するための工夫を予防接種や採血・注射などの処置の前に説明いたします。
- お子様には、年齢に応じた説明を行います。
- 希望がある場合、副作用などの注意事項をご理解いただいた上で、局所麻酔薬を使います。
年齢別のおすすめの対策
乳児(0〜1歳ごろ)
接種の前後に授乳する方法は、乳児のワクチンの痛みや泣く時間を減らすことが示されています。母乳が難しい場合、ミルクまたはショ糖水などの方法を使うことができます。予防接種当日、母乳またミルクまたはショ糖液(砂糖小匙0.5〜1杯を水10ccで溶かしたもの)を哺乳瓶に入れてご持参ください。
局所麻酔薬を希望される場合、前日までに当院で購入し、副作用及び注意事項をご確認いただき、指定された部位に来院30分前に貼付してください。
幼児(1〜6歳ごろ)
この時期は「注射そのもの」より「こわい」「いやだ」という気持ちが強くなりやすいため、短く正直な説明が向いています。たとえば「ちょっとチクッとするけど、すぐ終わるよ」「終わったら遊ぼうね」など、見通しがもてる声かけが役立ちます。冷却や振動を使う器具(当院ではバジーを採用しています)は、年長児で効果が出やすいという報告があります。採血や点滴で使われることが多いですが、ワクチン接種でも役立つ可能性があります。
局所麻酔薬を希望される場合、前日までに当院で購入し、副作用及び注意事項をご確認いただき、指定された部位に来院30分前に貼付してください。
小学生以上
小学生では、「何が起きるか」を年齢に合わせて説明し、本人に小さな選択肢を与えることが有効です。たとえば「右腕と左腕どちらにする?」「動画を見る? 数を数える?」「針を見るほうが安心か、見ないほうが安心か」のように選べると、コントロール感が出て落ち着きやすくなります。
局所麻酔薬を希望される場合、前日までに当院で購入し、副作用及び注意事項をご確認いただき、指定された部位に来院30分前に貼付してください。
局所麻酔薬について
当院では局所麻酔薬が入ったテープを2種類(ペンレステープとエムラパッチ)購入できます。
副作用として、過剰投与の場合や過敏性がある場合、不整脈や肝機能障害などが生じることがあります。また、海外ではチアノーゼ、呼吸困難、痙攣などを特徴とするメトヘモグロビン血症の症例が報告されています。局所症状として貼付部位の皮膚炎、痒み、蒼白または紅斑などが言われています。
局所麻酔薬を希望される場合、使用前日までに当院で購入し、副作用及び注意事項をよくご理解いただいた上でご使用ください。
局所麻酔薬が使えない方
- 不整脈を指摘されたことがあるまたはご家族に遺伝性の不整脈がいる方
- メトヘモグロビン血症、ポルフィリン症の既往がある方
- 注射予定部位に皮疹などの皮膚症状あるいはキズがある方
- 医師が使用不可と判断した方
使用時の注意事項
- 予防接種を含め疼痛軽減に使う局所麻酔薬は自費購入になります。事前に購入し説明を受ける必要がありますので、前日までにお申し出ください。注射・処置当日に購入を希望される場合、麻酔薬の効果が現れるまで院内で1時間待機する必要があります。また、局所麻酔が可能な時間は午前11時まで及び午後16時半まで(土曜午後は不可)です
- 指定された貼付部位と使用枚数を必ず守ってください
- 指定された部位に来院約30分前に貼付してください。過剰投与を避けるため1時間以上貼付したままに絶対しないでください
- 小さいお子様がテープ剤をはずして口に入れないようにご注意ください
こんなときは事前にお伝えください
過去に注射で強く暴れた、失神した、ひどい恐怖がある、発達特性があって見通しのない処置が苦手、採血や点滴で毎回とても苦労する、といった場合は、予約時や受付時に医療機関へ伝えることが大切です。事前に方法を決めておくと、当日の負担を減らしやすくなります。